日時 : 毎年2月第1日曜日 14:00~
場所 : 飛鳥坐神社 神楽殿
五穀豊穣と子孫繁栄を祈る祭り。その起源は不明。愛知県犬山市の大縣神社・同県小牧市の田縣神社で行われる「豊年祭」や同県西尾市の「てんてこ祭」などと並んで西日本における奇祭の一つとして有名。
式次第は二部構成。
第1部では、五穀豊穣を願い、天狗、翁、牛が、昔ながらの道具を使い、田植えの所作にて御田植神事が執り行われる。
第2部では、天狗、お多福が仲睦まじく肩を寄せ合い登場し、御神前において昔ながらの形式で結婚式を執り行い、その後、夫婦和合の儀式のあと、ここで使用された幻の紙と呼ばれる「福の紙」が参拝者に撒かれる。
いつも静かな感じからは想像できない賑わい。
祭りに先立て、地元青年団が天狗や翁、牛に扮してササラ(竹の先を細かく裂いた棒)で参拝者のお尻を叩く厄除けの神事を行っている。
2時間前の12:00くらいの境内の様子。周りの人の会話では、11:00くらいはまだ前の方も空いていたようだった。これからここで立ち続ける。
第一部の御田植神事が始まる。天狗と翁、牛が登場。
畦切や田を鋤く所作が天狗や翁、牛によって行われる。
松の小枝を苗に見立てて植え付ける「植つけ」。
植えたばかりの苗を天狗や翁、牛が参拝者に向かって投げ入れる。これは「苗松」といわれ、田の水口に突き刺しておくと農作物に虫がつかないと言われている。
第二部の夫婦和合の儀式が始まる。天狗とお多福、翁が登場。
天狗とお多福の夫婦が連れ添って、山盛りにしたご飯「鼻つきめし」を奉納する。
天狗は竹筒を股間にあてて見栄を切る。会場は大爆笑。特に年配の女性は大喜び。
1回目の夫婦和合。翁は参拝者から隠すような愉快な仕草を行う。
夫婦和合後の股間を拭いた「福の紙」を翁が参拝者に撒く。この「福の紙」を求めて全国から子宝を授かりたい人たちが集まるようである。
参拝者からのリクエストに応えるように、2回目の夫婦和合。
同じように、翁が「福の紙」を撒く。お多福も加わり、「福の紙」を撒くが、遠くの参拝者にも届くようにと、ミカンに包んで投げ入れるが・・・ミカンだけが飛んでくる。
終了後の境内の様子。
参考:飛鳥“おんだ”祭解説(飛鳥坐神社パンフレット)
夫婦和合の儀式として、夫婦の営みや股間を拭くといった所作を露骨にも表現しているところから奇祭といわれるようである。すべての所作は無言で行われるが、演技者のユーモアが会場の笑いを誘い、終始活気のある雰囲気だった。
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