(おにのまないた・せっちん)
欽明天皇陵の前から、飛鳥周遊歩道を東に400mほど進むと、丘の南斜面、道路の上と下に巨大な石造物がある。
いずれも欽明天皇陵の陪塚とされている。これらの石造物は横口式石槨の蓋石(上部)が下に転落したもので、周遊歩道の上にある鬼の俎が床石、下にある鬼の雪隠が蓋石である。
このほかに扉石を加え、3石を組合せた構造と考えられるが、扉石は失われている。
名前の由来は、昔このあたりに鬼が住んでおり、行き交う旅人を捕らえてはこの石の上で調理し、雪隠で用を足していたという言い伝えによる。
江戸時代後期、陵墓の探索が本格的になるにつれ、この石造物が古墳の内部施設であるとの認識がされ、今日では刳り貫き式横口式石槨の代表例となっている。
床石(鬼の俎)は、長さ約4.3m、幅約3.3mの不整な長方形で、横方向三列と縦方向一列の楔跡が残されている。
墓室床部分が1段高くつくられ、南正面に扉石を固定するための柄穴がある。
上部には楔形の鑿穴(のみあな)が並ぶが、後世に石材を割ろうとした跡である。
鬼の俎
鬼の俎

蓋石(鬼の雪隠)は、花崗岩の巨石をドーム状に刳り抜き、天井と壁を構成したもので、床石に組合せて復元すると、元の石槨の内側寸法は長さ2.79m、幅1.54m、高さ1.3mとなる。盛土は全く失われているので、墳丘の形式は不明である。
鬼の雪隠
鬼の雪隠

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