(むろうじ こんどう) 【国宝】
五重塔にやや遅れて建立された。正面5間、側面5間、一重、寄棟造、柿葺の堂である。
もとは、根本堂・薬師堂と呼ばれ、江戸時代に室生寺が真言宗となってから金堂と称されるようになった。
母屋(もや)は桁行3間、梁間1間で、四周に庇を廻し、その前に懸造の礼堂がつく。礼堂は中世にはあったと考えられるが、現在は寛文12年(1672)のものである。
建立当初は、屋根は現在より低くて薄く、入母屋造で、扉は正面5間と背面中央1間だけで、他は板壁とし、内部は天井もなく構造が見える化粧屋根裏であったと考えられる。
用材は多く用いられる檜ではなく、杉であることも注目される。
平安時代前期の山寺仏堂としては唯一の遺構で、その価値は極めて高いものである。
金堂
金堂
室生寺金堂 内部
室生寺金堂 内部

木造伝釈迦如来立像(薬師如来立像) 【国宝】
薬壷を持たない薬師如来として古くから知られた像である。
雄偉な体軀でほぼ直立する姿からは、ただならぬ像であることが伝わってくる。
頭部は大きめで首は太く短く、肩は盛りあがって体幅も広く、胸・腹の肉づけによるくびれを深く表す。
これらの肉身が薄い衣に包まれること、下腹部の膨らみを表現するなど、インドのグプタ朝の仏像を思わせるものである。
整理された衣文線は、太い波につづいて細い波を2本いれる漣波式(れんぱしき)と呼ばれる他に例を見ないものである。
カヤの一木造で、背面から背刳を行い、体側部に肩から腕・袖を含む各一材を寄せる。現在の彩色は後補である。
室生寺金堂 伝釈迦如来立像
木造伝釈迦如来立像

木造十一面観音菩薩立像 【国宝】
やさしくふっくらした顔立ちは女性的であるが、直立した姿勢、両肩が盛り上がって少し力の入った上半身、強く引き締まった胸の肉付けなど、全身に緊張感が漂う。
左右対称に折り返され畳まれた衣の表現が各所にみられること、条帛の垂下部が半分に折られた表現などが特色である。
これらの天衣や裳が衣の厚みを表現しているのは、中尊像の薄い衣と異なる。木心を籠めたカヤの一材から、両手の大部分と両足先を含めて彫成され、頂上面を除く頭上面も同じ材から彫り出されている。体部背面から内刳を行う。
持物の水瓶もカヤ材で、後補の注口部以外は当初の姿を伝え、金銅製の冠飾りと胸飾・瓔珞も当初のものである。
ただ、光背は天保9年(1838)に新補された。
室生寺金堂 十一面観音菩薩立像
木造十一面観音菩薩立像

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