(むろうじ みろくどう) 【重要文化財】
正面3間、側面3間、入母屋造、柿葺で、様式から鎌倉時代中期頃の建立と考えられている。 ただ、当初のまま残るのは、方一間の内陣だけで、側廻りは近世に造り直されている。
外部からは見えないが、内陣と屋根との間に中間屋根が設けられていることは、この堂の特色である。
また、唐招提寺に伝わる『伝法灌頂作法』に載せる乾元2年(1303)の指図から、寛正7年(1466)までに南向きから、現在の東向きに改造されたことがわかる。
当初は方3間の前面に広縁がつく梁行4間の建物で、入母屋造、妻入りの堂であった。内陣の天井は小組み格天井、庇部は垂木のみえる勾配の緩い化粧屋根裏となり、純和様の堂内空間がみられる。
弥勒堂
弥勒堂

木造弥勒菩薩立像 【重要文化財】
カヤの一材にて、頭頂から蓮肉下の円筒形枘(ほぞ)、さらに両手先や天衣・瓔珞(ようらく)までも含めて彫り出される。
現在、瓔珞の一部を欠くが、共木から彫り出す装身具は、古様な檀像の手法である。
両肩にかかる天衣の内側を折り返すこと、背面裳の腰下に一枚の帯状のものを垂らす点、臂釧(ひせん)の形などは珍しい表現となっている。
卵形の顔立ち、胴部の括れを明瞭に現し、殊に下段の括れは背中をめぐって一周すること、裳の着け方や衣文線にいたるところまで、唐招提寺に伝わる木心塑造の伝宝生如来像(像高265.0cm)と共通する。
伝来に関しては、不明な点も多いが、室生寺を開いた賢璟の関与を想定すべきと考えられる。
室生寺弥勒堂 弥勒菩薩立像
弥勒菩薩立像

木造釈迦如来坐像 【国宝】
膝部の張りを大きくとって、全体を二等辺三角形の枠内に収めた、極めて安定感に富む像である。
側面でも、腹部以下の量感が豊かで、平安時代初期の一木彫刻の特徴が顕著である。
また、衣文線の鋭く流麗な彫りは、翻波式(ほんぱしき)衣文の完成形とみなす指摘もあるとされている。
左胸部において大衣の下層を引き出して舌状に表す点や、脚部上に左袖口を大きく垂らし、右ふくらはぎ部に三角状の折れを表すなど、奈良時代末の木彫や木心乾漆像に見られた表現を受け継いでいる。
カヤの縦一材から彫り出される(木心は前方に外す)、背刳を施し、脚部は横木一材を用いる。各所の小部分に乾漆の使用が認められる。
室生寺弥勒堂 釈迦如来坐像
釈迦如来坐像

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