（せんかてんのうりょう）
鳥屋見三才（ミサンザイ）古墳
「ミサンザイ」は「みささぎ」の訛ったものであるとされ、古くから伝承をもっていたことを示している。宣化天皇陵としては現在地のほかに、丸山古墳もその候補とされたが、丸山古墳が蘇我氏系の墳墓である説が強く、幕末以来の考証でも現在地が宣化天皇陵として有力であるとされている。
墳丘は細長い丘陵部先端に位置することから、その地形に規制されるように前方部を北東に向けている。
全長は約140m、後円部径は83mである。墳丘は二段築成で、くびれ部の両側に方形の造出が存在している。壕によって囲まれているが、灌漑用の溜池である鳥屋池と一体になっていることから、灌漑用の水を確保する目的で修陵工事が実施されたことがうかがえる。
墳丘裾付近から円筒埴輪、朝顔形埴輪と須恵器が出土したが、内部施設、副葬品についての情報は皆無である。