(うだみくまりじんじゃ)
水源地は農耕に欠かすことができない水を配分・調整する「水配り」の地として信仰の対象となることが多く、農業が盛んであった大和の各地には多くの水分神社があり、人々の信仰を集めている。
特に有名なのが、『延喜式』式内社の葛城水分神社、吉野水分神社、都祁水分神社、そして宇太水分神社であり、大和四水分神とされている。
宇陀市域には、菟田野区古市場、菟田野区上芳野、大宇陀区平尾、榛原区下井足(しもいだに)、及び室生区下田口に水分神社がある。
永禄3年(1560)に書かれた「玉岡水分神社縁起」によると、宇太水分神社は玉岡水分神社とも称し、垂仁天皇の時代に伊勢神宮の神官・玉造村尾が神託に寄せて御裳濯(みもすそ)川の水を神体として、菟田野区古市場の地に祀って本社とし、上芳野と下井足の社を摂社、平尾と下田口の社を末社としたという。
また、菟田野区古市場を中社とし、上芳野を上社、下井足を下社と位置付けることもある。こうしたことからも、宇陀市域内の水分神社は古くから何らかの関係があったとされている。
菟田野区古市場の水分神社 古市場水分神社前バス停を降りると、北東方の目前にみえる森木立にある。神社の門前は街道沿いに町場を形成しているが、これが古市場で旧松山町が城下町として形成されるまでは、この地域の中心として繁栄していたところである。
大きな鳥居をくぐると、きれいに掃き清められた境内に、スギ、ヒノキの老木を背景に朱塗りの社殿が立ち並び、瑞垣がそれらを取り囲んでいる。
宇太水分神社
宇太水分神社
鳥居
鳥居
境内の風景
境内の風景
夫婦杉
夫婦杉
頼朝杉
頼朝杉

本殿【国宝】
立ち並ぶ社殿の向かって右から第一殿、第二殿、第三殿とそれぞれ1間の広さで連社形式をとり、隅木入りの春日造、檜皮葺である。祭神は水分神3座で、第一殿には天(あめ)水分神、第二殿には速秋津比古神、第三殿には国水分神が祀られている。
第一殿の棟木には「元応2年(1320)」の墨書銘がある。
拝殿
拝殿
本殿
本殿

本殿に向かって右側に2棟の末社が並ぶ。本殿に近い方が春日神社本殿【重要文化財】で祭神は天児屋根命、遠い方が宗像神社本殿【重要文化財】で祭神は市杵島姫(いちきしまひめ)命、どちらも室町時代末期の建立で、本殿とともに神社建築の歴史上重要な遺構である。
なお、市杵島姫命は市の守護神で、古くから物資集散の地として賑わった古市場にふさわしい神とされている。
末社(左:春日神社本殿、右:宗像神社本殿)
末社(左:春日神社本殿、右:宗像神社本殿)

住所 宇陀市菟田野古市場245
アクセス 近鉄 榛原駅 菟田野行バス15分「古市場水分神社前」~徒歩3分
時間 自由
費用

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